介護福祉士は離職率が高い?離職率の高い・低い職場の特徴とは

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介護福祉士は離職率が高い?離職率の高い・低い職場の特徴とは

はじめに

介護職は離職率が高いとよく耳にしますが、第4回社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会の資料によれば、平成12年度に約55万人だった介護職員数は、平成25年度には約171万人と3倍以上に増え、現在も増え続けています。

超高齢化社会である現代においてニーズが拡大しているにもかかわらず、本当に介護職の離職率は高いのでしょうか。
今回は介護職の離職率と職場の特徴について見ていきましょう。

介護職の離職率は高い?

介護職は本当に離職率が高いのでしょうか。
慢性的な人手不足という言葉がすっかり定着している介護業界において、離職率が高いというイメージは決して明るいものではありません。
では本当に他の職種に比べて離職率が高いのかを、平成27年に厚生労働省から示された『雇用動向調査』を基にみていきましょう。

介護人材の確保について
厚生労働省による『雇用動向調査』の結果によると、介護・医療以外の産業における平成24年1年間の離職率の平均値は14.8%、平成25年は15.6%です。
介護職員の離職率はそれぞれの年度において13.9%、15.2%となっていますので、いずれもほぼ平均値と同等といえます。

このことから、 他の産業と比較しても介護職の離職率が群を抜いて高いというわけではありません。
また、介護職員の離職率の推移は平成19年度21.6%であったものが、年々低下傾向にあり平成23年度以降平成27年度までは17%以下で推移しています。

他業種と比べてあまり差はない
『雇用動向調査』では、「介護職員の離職率は低下傾向にあるが、他の産業に比べてやや高い水準になっている」と記されています。
しかし、他の産業との差は数字的には1%程度の範囲ですので、他業種と比べてあまり差がないと言って良いでしょう。

また、あわせて同調査の中の介護職員の人手不足感のデータをみてみると、介護職員の中でも取り分け訪問介護の不足感が強く、採用段階での不足感が強いという結果となっています。

このことから、介護人材の不足が必ずしも離職率が高いという理由からきているのではなく、採用段階で雇用条件が合わずに介護職に就かない人が多いのではないかという予測がたちます。
特に、正規職員でない雇用形態や勤務時間に不規則、自身の車を使用する場合がある、などの条件が示されることの多い訪問介護ではその傾向が強いのではないでしょうか。

離職率の高い職場とは

多職種と比べて、実は介護職の離職率が特別に高いというわけではないことがわかりました。
介護職の離職率を読み解く上で、平成25年度の『介護労働実態調査』の結果に着目しましょう。
この結果では離職する理由が介護という仕事内容に起因することではなく職場での人間関係や運営や雇用体制への不満という理由が上位を占めているのです。
このことから、離職率の高い職場とはどのような職場であるのかを考えていきましょう。

常に求人募集をかけている
ハローワークやインターネットの求人サイト等でいつも目にする介護職員の求人はありませんか。
いつ見ても求人が出ているという職場では、職場の人間関係の悪さや待遇面での不安を感じてしまいます。

また、「急募」と書かれているにも関わらず常に募集が継続されている場合、実際に現場はどうなっているのだろうかという疑問を感じてしまいます。
少ない人数で過酷な労働条件で働いているのではないかという負の印象を受けると共に、新しい人が入社したとしてもすぐに辞めていく会社というイメージを持ってしまいます。

面接時間が短時間
採用試験の面接の際、簡単な質問を2、3点しただけで即内定が決まる職場があります。
面接の場で「いつから来ることができますか?」と聞かれた経験がある人もいるのではないでしょうか。
一日でも早く人手が欲しい状態にある職場では、本当に求めている人材を吟味するほどの余裕がないので、形式的に面接を行っているという状況になっているかもしれません。
労働条件や福利厚生の説明も不十分になってしまっているかもしれません。

そのため、働き始めてから「こんなはずではなかった」という不満を感じてしまう可能性もあります。
また、せっかく取得している資格を活かして働きたいと考えていても、形だけの面接をする職場では資格やスキルは重要視されないこともあります。
働き手としてはジレンマを感じてしまい、離職率がさらに高まる悪循環も起きかねません。

施設に清潔感がない
玄関の掃除が行き届いていない、スリッパが汚れている、きちんと揃えられていない等の職場は実際に人手不足の状況にあるかもしれません。
人手が足りていないために掃除や整理整頓まで手が回らないということが考えられるからです。
そのような介護施設では、汚染されたオムツや排泄物の臭いがしている場合もあります。

不潔な状態を放置しているということは、人手不足で気づけない状態や、見て見ぬフリが常態化している可能性があります。
整理整頓や物品管理、環境整備を怠っている職場では、サービスの質が低下していると共に、ヒヤリハットや事故につながる恐れもあるため、特に注意が必要です。

離職率の低い職場とは

では、逆に離職率の低い職場について考えていきましょう。
職場探しでは、離職率が低いということは働きやすい職場であると感じる大きなポイントとなります。

介護の職場探しでは求人情報のほかに、事業所の特色を知る上で「介護サービス情報公表システム」の活用も有用です。
このシステムでは、働いている職員の数や勤続年数を簡単に検索することができるからです。
介護職員数が十分足りていて、勤続年数が長い介護職員が多い事業所は離職率が低い、働きやすい職場だという目安になりますね。

さて、離職率の低い職場を考える上での目安として、介護職員数、勤続年数以外にはどのようなことが考えられるでしょうか。

面接でしっかり説明をしてくれる
採用試験の面接の際、施設の良い面だけではなく、働いていく上での大変さも正直に話して括れる職場は、働き手のことを思って多くの情報を提供してくれる職場だと言えるでしょう。
面接の時点で双方の条件や思いを確認し合うことができるので、ミスマッチが起こりにくく離職率の低下に繋がります。
面接の場で働き手が不安や疑問が解消でき、納得して働くという気持ちになるということが重要です。

働きやすい環境が整っている
離職率の低い施設や事業所は、職員が動きやすいレイアウトや環境が整っています。
特に介護の現場ではナースステーション(詰所)の位置や物品の配置、介護職員の動線が配慮されています。
また、休憩室や更衣室も清潔で整頓されています。
設計の段階で施設長など経営者の気配りがあること、そして実際に働いている職員がいつも整理整頓や働きやすい工夫をする余裕があることの現れです。
ストレスが少ない環境では離職率も低いでしょう。

職員の来客者への対応が明るい
来客者に対する職員の対応が明るい職場は、教育が行き届いていると考えられます。
それは、普段から職場内で部署を超えてコミュニケーションがとれていないと難しいことです。
経営者の理念や方針に共感できていないと、来客に対して自分が職場の顔にもなり得るという意識での対応ができないからです。
会社全体を盛り立てていこうという雰囲気が出来上がっている職場は、経営者側と労働者側双方がそれぞれの立場を尊重し合い、人間関係が上手くいっていることが多いです。

おわりに

介護職に関わらず、一度仕事を始めたらできれば長く勤めたいものです。
もしも、転職を検討する場合は、正確で信頼できる十分な情報を得ることが重要です。
そして、自分に合った職場をしっかりと見極めるようにしましょう。

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