利用者とうまくコミュニケーションをとるには?先輩ヘルパーの成功&失敗体験談
はじめに
「介護の仕事の中で一番楽しいことは?」と聞かれると「入居者(利用者)さんとのコミュニケーション」と答える介護士さんは多いのではないのでしょうか。
同時に一番正解のない、苦労するものだとも言えます。
今回はそんな奥の深い入居者(利用者)さんとのコミュニケーションについて先輩ヘルパーの成功・失敗談を交えてご紹介したいと思います。
1. かしこまり過ぎず、時にはくだけたコミュニケーションも(30代 女性 訪問ヘルパー)
介護サービスの利用者さんの様々なお世話をさせてもらうにあたっては、信頼を得て仲を深めていくことも大切なんですよね。
私も働き始めた時は、「仕事として礼儀正しくいなければ」と、どうしても接する時の口調や応対などが堅苦しくなって、利用者さんを緊張させてしまいました。
接し方が堅いと、やはり心の距離も縮まりにくいんですよね。
もちろん最低限の礼儀は必要ですが、時々家族に接するように少しくだけて会話をすることを意識してみました。介助の時以外の雑談などにも積極的に応じるようにしていると、そのおかげか距離は少しずつ縮まって、介助もしやすくなりました。
一定の線引きは必要ですが、その人に応じた「礼儀」が大事なんだと実感しました。
2. 茶化して利用者さんのプライドを傷つけてしまった(20代 男性 デイサービス職員)
利用者さんとの仲を深めようと普段から雑談など積極的にコミュニケーションをとることを心がけていたのですが、口のきき方で少し調子にのってしまい失敗したことがあります。
ある日、その場を盛り上げようとある利用者さんを茶化すような言葉をつい口にしてしまました。
もちろん悪気はなかったのですが、利用者さんにはそれを冗談ととらえてもらえず、怒らせてしまいました。
その時は後からきちんと謝って許して貰えましたが、いくら気の知れた仲になったとしてもふざけすぎたり、茶化したりすることはいけないんだと反省しました。
「親しき中にも礼儀あり」ですね。
3. 目線を合わせて接する (40代 女性 特養職員)
私は利用者さんと上手くコミュニケーションをとって信頼関係を築くために、できるだけ目線の高さを合わせることを心がけています。
介護の現場ではどうしても介護士の目線の方が高くなり、それによって利用者さんに威圧感を与えてしまうことがあります。
目線を落として同じ視点で接することを心がけると、それだけで相手が安心し、心を開いてくれるようになります。
安心感は信頼にも繋がってきますから、この目線を合わせて接するという心がけはとてもおすすめです。
話しかける際は必ず目線を相手に合わせるようにし、また目を見て話すようにしています。
介護サービスの利用者さんの中には上手く自分の気持ちや希望を伝えることができない人も多いので、そういった人に対しては辛抱強く耳を傾け、話を聞くように努めています。
おわりに
どの介護士さんも自分なりの工夫や方法で入居者(利用者)さんとのコミュニケーションを取ろうとしているんですね。特に3.の目線を合わせるということは「ユマニチュード」というフランス発祥の認知症ケア方法の一つでもあります。興味のある方は調べてみると日ごろのコミュニケーションの一助となるかもしれません。