介護における見守りとは?ポイントと注意点をご紹介

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介護における見守りとは?ポイントと注意点をご紹介

はじめに

介護における見守りは介助作業の1つです。
文字だけですと簡単に思えますが、実際はただ利用者様を見ている、という単純な作業ではありません。
見守りを徹底するには、利用者様の周りの状況、周囲にいる他の利用者様のことをじっかり確認する必要があります。
介護の見守りとは、簡単そうに見えて、漫然と行っていてはできない難しい介助なのです。
そこで今回は介護の見守りにおける注意点を、確認していきましょう。

「介護の見守り」とは?

大勢の利用者様を見守らなくてはいけない介護施設の現場では、利用者様の安全を守るためにさまざまな工夫を凝らした見守りが行われています。
以下では介護現場ではどのような見守りが行われているのか、見ていきましょう。

介護における見守りとは

介護現場での見守りとは、他の介護職員と連携しながら、利用者様1人1人の様子をしっかり確認することとされています。
ほとんどの場合、介護職員は1人で複数の利用者様の見守りを行わなくてはいけません。
そのため担当する利用者様を1つのグループにし、利用者様同士で盛り上がるような話題を提供するといった工夫がよく行われます。
常に複数の利用者様を見守れるように、トイレに行きたい利用者様がいる時は、他の介護職員に介助を頼むことも重要です。

介護における見守りの目的

介護における見守りの最大の目的は、利用者様をさまざまな危険から守ることです。
加齢により身体機能が低下している利用者様は、屋内でも転倒しやすいとされています。
さらに骨の密度も年齢と共に低下するので、利用者様は転倒によって、骨折という大ケガを負ってしまう確率も高いのです。
また自分から体調の異変を、介護職員に伝えられない利用者様も多くいます。
そのため見守りを行う介護職員は、注意深く利用者様の様子や行動を観察しなくてはいけません。

見守りが監視にならないように注意

忙しい介護の現場で見守りに慣れてくると、効率を強く意識するようになり、監視のような見守りになってしまいがちです。
介護での見守りとは、利用者様を広い視野で包み込むように行うものです。
一方で監視とは、相手の行動を制限するように見張ることを指します。
見守りが監視になってしまっては、利用者様を精神的に追い詰めてしまうでしょう。
そのため介護職員は、自分の見守りが監視になってしまっていないか、時々自分の行動を見直して確認する必要があります。

見守りのポイント

介護の見守りを徹底するには、いくつか注意点があります。
その注意点とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
見守りに自信がない方は、ぜひよく把握しておきましょう。

行動を先読みする

見守り中は利用者様自身だけでなく、利用者様の行動を先読みして、障害となるものを避けることが大切です。
例えば車椅子や歩行器などを利用者様が使用している場合は、移動する通路の安全を確認する必要があります。
車椅子や歩行器などの車輪には、小さなものでも挟まってしまいがちなので、小さな障害物も見逃さないようにしましょう。
また日中にうとうとしてしまう傾眠状態に陥りやすい利用者様には、頻繁に話しかけるなど、眠らないようにする工夫が重要です。

希望を予測する

自分から介護職員に、やってほしいことや身体の状態を言いだせない利用者様もいます。
そのため利用者様の希望を予測し、介護職員の方から声をかけることも重要です。
特にトイレの介助は、排泄を見られる抵抗感や後ろめたさから、介護職員に言い出せない利用者様が多いとされています。
そのため落ち着かない様子の利用者様には、「一緒にトイレに行きませんか?」と声をかけて排泄を促しましょう。

また普段から看護師と健康状態を共有するなど、利用者様の体調の急変に備えることも、見守りには欠かせません。

夜間の見守りにはツールを上手く利用しよう

介護職員は夜間でも利用者様の安全のために定期的に見守りを行います。
在宅介護でも、利用者様の状態によっては夜間の見守りが必要なときもあるでしょう。

夜間は介護職員が少なく、また施設内の雰囲気も変わるので思わぬ事故が起きやすくなりますので、特に注意して見守る必要があります。
そこで夜間の見守り時は、見守りの負担を軽くしてくれる道具を、活用してみましょう。

センサーマット

夜間は徘徊中に転倒することで、ケガをしてしまう利用者様が多いとされています。
徘徊による転倒を防ぐには、センサーマットが有効です。
センサーマットは対象者がベッドから離れようとすると、センサー機器が感知し、介護職員や家族に知らせてくれます。
夜間は利用者様がベッドから起きようとしてベッドから落ちてしまい、負傷してしまうこともあるのです。
そのような事故にいち早く気付くため、事故防止のためにも、センサーマットは有効だといえます。

ドアセンサー

認知症を患う利用者様の中には、夜間に介護施設や家から抜け出して、外で徘徊してしまうおそれがあります。
外に出ると交通事故などに巻き込まれる可能性があるので、外に出てしまう前に脱走を止めることが重要です。

そこで役立つのがドアセンサーです。
利用者様が出入口のドアに接近すると、センサーが反応して家族や介護職員に知られてくれます。
センサーの音や光に驚く利用者様もいるでしょう。
外に行きたがる利用者様を咎めるのではなく、なるべく優しく部屋に戻るように促しましょう。

おわりに

介護現場において、見守りは利用者様の健康を守る重要な介助の1つです。
そのため介護職員は注意点を意識して、徹底的な見守りを行わなくてはいけません。
しかし介護業務に慣れてくると、見守りに隙が出てきてしまいがちです。
そのため時々今回取り上げた注意点を確認して、自分が正しい見守りをできているか、振り返るようにしましょう。

また最近では緊急通報サービスや心拍センサー付きの、高性能な安否確認ロボットもあります。
さらに遠方にすむ家族の安否状態をカメラで確認し、携帯電話のメールで情報を提供してくれるシステムもあるのです。
今や医療機関や介護施設でも活用され始めているそれらのツールを、家族の介護にぜひ活かしていきましょう。