生活相談員の業務内容とは?詳しくご紹介!

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生活相談員の業務内容とは?詳しくご紹介!

はじめに

介護業界は、さまざまな職種が連携して働いています。
介護の仕事と言えば、現場で働く介護職員やヘルパーを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
その現場と利用者様を繋ぐのが「生活相談員」です。
介護職員から次のキャリアアップ職種として人気の生活相談員ですが、実際にはどんな仕事をしているのでしょうか。
今回は生活相談員の業務内容について詳しくみていきます。

生活相談員の業務とは?

生活相談員の業務は、利用者様に対し、相談や援助を行う窓口となることです。
そして、それぞれの事業所や施設において計画作成担当者としての役割を担います。
介護サービスを提供するにあたって作成する計画書は、ケアマネージャーが作成したケアプランとは別に、本人や家族、介護職員などから情報を収集し、個別に課題やニーズを分析をして作成します。
その後ケアプランに掲げられている目標達成に向けて実際に行うケア内容を立案・実施し、評価します。
また、その他の業務としては、ボランティアや実習生の受け入れについて関係者や関係機関と連絡・調整も行います。

介護保険制度上の生活相談員
厚生労働省令等で生活相談員の配置を義務づけているのは、指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、指定通所介護事業所(デイサービス)、指定短期入所者生活介護事業所(ショートステイ)及び指定特定施設入居者生活介護事業所(介護付有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など)です。
元々、老人福祉法で定められた相談員が「生活相談員」、老人保健法で定められた相談員が「支援相談員」という名称であり、2000年に施行された介護保険法ではその根拠法令のまま名称が引き継がれました。

介護老人保健施設で相談業務を行う場合は支援相談員という名称で呼ばれます。
支援相談員も生活相談員も、名称であり資格として存在しているものではなく、利用者様からの相談を受け、支援を行う職種のひとつであると言えます。

生活相談員の資格要件
生活相談員には以下のように一定の資格要件が定められています。しかし、資格要件は県や市によって異なりますので注意しましょう。

①国が定めるもの(社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当するもの)
※社会福祉法施行規則にて補足
・社会福祉主事任用資格者
・社会福祉士
・精神保健福祉士

②都道府県独自のもの
※各都道府県によって要件が異なるので確認が必要です。
(一例)
・介護支援専門員
・介護福祉士
・老人福祉施設の施設長経験者
・一定期間以上の介護職経験のある人など

施設によって業務内容は異なる

生活相談員の業務は、施設や介護サービス提供事業所の種類によって異なります。
利用者様や家族、ケアマネージャーの窓口になる存在であることは共通していますが、施設によって業務が異なる部分があります。
ここでは、介護老人福祉施設、短期入所施設、通所介護のそれぞれの生活相談員の業務についてみていきましょう。

介護老人福祉施設の生活相談員の業務
利用者様や地域との窓口としての調整業務が主な仕事です。
具体的な業務内容は、入退所の手続き、利用者の相談対応、利用者や家族、地域及び施設内での連携や調整など、以下のような業務を行います。

・ケアマネージャーとの連携・介護計画の作成
・ケアプラン作成への助言
・入所希望者の相談受付
・施設の入所・退所手続き
・入所者、入所者家族との相談
・苦情受付、対応
・レクリエーション企画
・地域との連携・調整
・地域のボランティア活動参加
・施設内のスタッフとの連携・調整

短期入所の生活相談員の業務
短期入所施設の利用者様の方の窓口の役割を担います。
具体的な業務内容は、利用者の利用日の調整、短期入所の利用計画書の作成、部屋割り、ケアマネージャーとの連絡・調整、利用者様の苦情対応などです。
また、施設によっては、利用者様の送迎や、施設の広報などを含む営業も行う施設もあります。

・ケアマネージャーとの連携・介護計画の作成
・ケアプラン作成への助言
・利用希望者の相談受付
・部屋割りの調整
・苦情受付、対応
・レクリエーション企画
・事業所内のスタッフとの連携・調整

先に紹介した介護老人福祉施設の生活相談と異なる点は、居宅介護支援センターのケアマネージャーとの連携が欠かせないという部分になります。

通所介護の生活相談員の業務
相談業務と連絡調整が主な業務です。
具体的な業務内容は、利用者の意向を聞き取る、契約の手続きを行う、サービス計画を立てるなどの手続きや連絡調整です。
ただし、規模が小さい事業書では、介護業務を兼任する場合もあります
また、ケアマネージャーと連携し、在宅生活の状況から臨機応援にサービス内容の変更を調整するための窓口になります。

・ケアマネージャーとの連携・介護計画の作成
・ケアプラン作成への助言
・利用希望者の相談受付
・苦情受付、対応
・レクリエーション企画
・事業所内のスタッフとの連携・調整

生活相談員の業務の上でのやりがいとは

生活相談員は、サービス利用調整の窓口であるだけではなく、地域との交流やレクリエーション活動や行事の計画、実施なども行います。
そのため、コミュニケーションスキルや計画遂行能力が求められる職種です。
ストレスやプレッシャーを感じることあるでしょうが、その分、他の職種では味わうことのできないやりがいや達成感を味わう機会もあるでしょう。
生活相談員の業務上のやりがいについてみていきましょう。

多職種に信頼される存在となる
業務が幅広く、その活躍の場が多岐にわたる生活相談員。
ここまで紹介してきたこと以外にも、介護認定調査の立ち会いや、病院受診の付き添いをするという機会もあります。
介護認定調査の立ち合いや病院受診の付き添いも、利用者様の日常や少しの心身の変化にも気が付いてないとできないことです。
そして、生活相談員から正確できめ細やかな情報提供は、ケアマネージャーや、医師、家族にとって非常に貴重な資料となります。

特に介護認定調査では日頃の状況が調査員に正確に伝わることで、利用者様の状態に見合った介護度が認定される要となります。
生活相談員は、情報提供者として多職種と関わる機会が多く、幅広い知識と経験を身につけていくうちに皆から頼られ、信頼される存在になることができます。

幅広い分野の新しい知識を得ることができる
生活相談員は、施設や事業所の行事やレクリエーション活動の計画を策定する業務をする場合があります。
そのため、外部の様々な人と関わることになります。
イベント的な企画や勉強会の要素が大きい企画まで、幅広い経験ができるでしょう。
そして、結果的に地域の伝統芸能やお祭り、園芸、学生ボランティアや歯科医師、薬剤師、栄養士など多くの分野のことを知ることができます。
知り得た経験や知識は自信となり、今後の役に立つことも多いでしょう。

キャリアアップの可能性が広がる
生活相談員の業務に就き、更にキャリアアップするにはどのようなことが考えられるでしょうか。
生活相談員経験を生かして事務長や施設長を目指すこと、生活相談員の経験年数から別の資格取得を目指すという方法があります。

例えば、ケマネージャーを目指すのであれば5年の経験年数が必要です。
また、学歴や相談業務の経験年数などの要件を満たせば社会福祉士や精神保健福祉士を目指すことも可能です。

おわりに

生活相談員の業務の範囲は広く、時に体力的にも精神的にも大変さを感じることがあるかもしれません。
しかし、介護業界での生活相談員の存在は利用者様や家族にとってはもちろん、多職種との連携には欠かせないのです。生活相談員へのキャリアチェンジを考えている方は、キャリアカルテに相談してみてはどうでしょうか。そして、生活相談員としてのやりがいを感じてみませんか。

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