デイケアで利用者様に充実感を持ってもらうには?
はじめに
皆さんはデイケア利用者様の充実感について考えたことがあるでしょうか?
利用様が日帰りで気軽に専門的なリハビリテーションが受けられるように介護施設や医療機関に設置されているデイケアは、通所リハビリテーションとも呼ばれています。
リハビリは厳しい訓練ですから、利用者様にリハビリを続けてもらうために、デイケアは利用者様の充実感や達成感をアップさせる支援も求められているのです。
そこで今回は利用者様の充実感を大きくするために介護職員ができることについて取り上げたいと思います。
利用者様がデイケアに来る目的とは?
デイケアは介護保険が適用されるサービスです。
そのため利用するには介護認定を受けていることと、ケアマネージャーが作成するケアプランにデイケアの利用が含まれていることが必要になります。
リーズナブルな料金で専門的なリハビリテーションを受けられるデイケアは、現在多くの利用者様に必要とされています。
そこでデイケアの利用者様のデイケアに通う理由を多い順に見ていきたいと思います。
利用者様のデイケアに通う理由から分かること
介護給付費分科会が作成した「リハビリテーションにおける医療と介護の連携に関する調査研究」の資料を基に、利用者様のデイケアに通う理由を1位から3位まで多い順にまとめると以下の通りになります。
1位 身体機能を改善したいから
2位 自分を担当しているリハビリ職員に担当し続けてもらいたいから
3位 自身の筋力や体力を取り戻したいから
上記の順位から、利用者様はリハビリで身体機能を高めたいという意欲がかなり高いことが分かります。
さらに自分を担当しているデイケアのリハビリ職員への信頼感も、デイケアに通う大きなモチベーションになっているようです。
裏を返せば、介護・リハビリ職員は利用者様に身体機能の回復の実感と、信頼感を与えられるような接遇・ケアを求められているともいえます。
利用者様はデイケアでのリハビリをどう思っている?
デイケアに通う利用者様の大半は身体機能の回復・維持を目的としていることがわかりました。
では、実際にデイケアでのリハビリをどのように思っているのでしょうか?
先述した資料を基に利用者様のデイケアの捉え方について見ていきます。
デイケア利用者様のデイケアの捉え方
デイケアに通うことで身体機能が回復すると答えた利用者様は全体の52.1%でした。
またデイケアに通うことで日常生活において必要になる動作が改善すると答えた利用者様は全体の50.5%を占めています。
さらに趣味や仕事などの社会的な活動が以前と同じように出来るようになると答えた利用者様は全体の32.6%を占めていました。
上記の情報から、実際にデイケアで身体機能の回復や日常生活で必要となる食事や入浴などの動作の改善が期待できると思っている利用者様は、約半数ということが分かります。
つまりほとんどの利用者様が身体機能の向上を目指してデイケアに通っているのにも関わらず、実際にその効果をデイケアに期待している方は半数程度にとどまっているということなのです。
さらに健康な時と同じように趣味や仕事などができるまで回復することをデイケアに期待している利用者様も少ないということが分かります。
折角リハビリをしても効果を実感できなければ、リハビリに対する期待が薄くなってしまうのも頷けます。
では、利用者様によりリハビリの実感を持ってもらうにはどうすればいいのでしょうか?
利用者様により効果や充実感を持ってもらうには?
デイケアでのリハビリで身体機能の回復・維持を実感出来ていない利用者様が半数近くいる実状で、介護職員はどうすればいいのでしょうか。
利用者様によりリハビリの効果を感じてもらい、デイケアに通う充実感を持ってもらうための方法をご紹介します。
利用者様のニーズに応える
上記の情報を踏まえるとデイケアの利用者様により効果を実感してもらうには、利用者様のニーズに介護職員が応えることが大切になります。
つまり身体機能の向上という利用者様のニーズに介護職員が応えることです。
例えば個別のリハビリサービスを充実させて、リハビリによって身体機能が回復する効果を利用者様1人1人にしっかり実感してもらうと良いでしょう。
介護職員からより集中的にリハビリを受けることができれば、利用者様はもっとリハビリの身体機能の向上効果を実感できます。
利用者様に小さく具体的な目標を持ってもらう
上記の情報を見ると利用者様の中には明確な目標を持ってデイケアに通っている方が少ないことが窺えます。
そのためデイケア利用者様の充実感を大きくするためには利用者様自身に身体機能が向上したらしたいこと(浴槽を自力で跨いで入れるようになりたい、孫と一緒に〇〇まで散歩したい、など)を具体的に思い浮かべてもらい、それを小さな目標に設定すると良いでしょう。
小さな目標を達成後に再び立てるということを繰り返せば達成感を得る機会が増えて、結果的に大きな充実感に繋がるのです。
おわりに
今回はデイケア利用者様により充実感を持ってリハビリに取り組んでもらうために介護職員ができることを取り上げました。
利用者様のほとんどは身体機能の向上という大きな目標への意欲は高いものの、その目標の達成感が薄いという現状があります。そのため介護職員は利用者様のニーズに応えるために個別のリハビリを増やすことが大切になるのです。
また利用者様自身に達成できそうな小さな目標を立ててもらうということも、利用者様の充実感に繋がります。
介護職員にとって利用者様のニーズをきちんと理解して対応し、利用者様の充実感を大きくすることは今後さらに重要なものになるでしょう。