介護現場での正しいパワハラの対処法

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介護現場での正しいパワハラの対処法

はじめに

最近世間にも浸透してきた「パワハラ」という言葉ですが、どのようなものかご存知でしょうか?
介護現場でもさまざまな要因が重なってパワハラが起こる場合があります。

では、そのような時にはどのように対処したら良いのでしょうか。
介護現場での正しいパワハラの対処法を、お伝えします。

介護現場で起こるパワハラとは

パワハラとは「パワーハラスメント」の略です。ハラスメントとは、簡単にいえば「嫌がらせ」。では、パワハラの定義とはどのようなものでしょうか。

パワハラの定義とは
パワハラとは同じ職場内で、上司や先輩の優位性や立場を利用し、労働者に対して常識的な範囲を超えた精神的・肉体的苦痛を伴う叱責や嫌がらせをする行為といえます。

介護現場で起こるパワハラの例①(上司から部下)
では、介護現場で起こる上司から部下へのパワハラの例にはどのようなものがあるのでしょうか。
特に入居者が寝泊まりしている介護施設では、夜勤があり交代勤務のため、常に自分の直属の上司と一緒に仕事をする訳ではありません。
ですから、上司が部下の仕事状況全部を把握することの方が困難だといえます。
そして久しぶりに昼間、一緒に働いたとして、上司が教えたとおりの介護を部下が行っていなかったとします。
このような時、なぜそのような介護をしているのか理由も聞かずに「何やってるの!教えたことと全然違うじゃない!言われたとおりにやればいいの!」と頭ごなしに怒鳴りつける上司がいます。
これは明らかにパワハラです。

介護現場で起こるパワハラの例②(部下から上司)
パワハラは、上司から部下へと起こりやすい性質のハラスメントですが、部下が上司より年上の場合、部下から上司へと起こる可能性があります。
特に介護の世界は、「介護の仕事がしたい!」と志高く飛び込んでくる中年以上の方もいらっしゃいます。
経験がない分、年下から指導されても「ハイ!」「分かりました!」と指示に従いますが、ある程度経験を踏んできたら、社会経験自体は豊富なので「●●はおかしい」など組織運営のことに対し意見を言うようになる人もいます。
そうなってくると、自分より年下の上司からの指示に納得できない場合、上司に向かって「常識で考えれば分かるだろう!介護の経験は短くても、人生経験は俺の方が長いんだよっ!」などと恫喝する人もいるのです。
こういったケースもパワハラの一種といえるでしょう。

パワハラを生み出す環境とは

「ハラスメント」とは嫌がらせという意味をあらわす英単語です。
ということは、嫌がらせしたくなるような精神環境におかれている職員がいる、ということになります。
実は、介護現場特有の状況が関係しているのです。

感情労働
介護の仕事は、人間対人間の仕事。つまり対人援助技術が必要となります。
機械を相手にしているわけではないので、介護する側もされる側も「感情」があります。
言い換えれば「感情労働」なのです。

たとえ出勤する前に自宅で配偶者とケンカして、イライラしながら職場に来たとしても、仕事場では笑顔で気持ちよく利用者様と接しなければなりません。
これは、かなりのストレスがたまることであり、そのストレスが爆発してパワハラとして表現される場合があります。
また、パワハラが当たり前になってしまっているほどストレスケアができない職員もいるのです。

夜勤がある交代制の仕事
人間は、基本的に夜中は睡眠をとることで疲れを解消する動物です。
これは、食欲と同じ生理的な欲求です。
しかし病院や介護施設のように、寝どまりしている方がいる場合には夜勤者が必要です。
よく「夜勤は慣れ」と言われますが、仮に慣れてきたとしても人間の自然の摂理とは逆行します。
そこに感情労働が加わりますので、夜勤がある介護施設の職員はストレスがたまりやすいのです。

職場でのコミュニケーション不足
介護の仕事は、交代勤務であることがほとんどです。
いつも同じ職員で働くのではなく、毎日、誰かしら入れ替わっています。
この場合、ある業務について他の職員にも同じようにしてほしい場合「申し送り」や「引継ぎ」ということが必要になりますが、事細かに引き継げるわけではないので、どうしても手薄な情報になりがちです。
また夜勤をやるようになると、1ヶ月のうち2~3日しか顔を合わせない職員も出てきます。
このように、コミュニケーションをとることが慢性的に不足してくると、上司が求めていることが部下に伝わりにくくなるため、パワハラへと発展しやすくなります。

施設長や上司の理解力不足
介護の仕事といっても、収益を上げて経営していかなければなりません。
一般的に、大規模な施設になればなるほど、施設長や管理者として勤める者が実際の介護現場を知らない、ということがありえます。
そこに、部下と利用者様を守ろうとしない理解力不足の上司が加わると、介護の社会的意義を現場が伝えようとしても「いうことを聞かない職員」とみなされてしまい、パワハラを生み出す環境となるのです。

パワハラの対処法

パワハラは「しない」「されない」ことが一番ですが、万が一介護現場でパワハラを受けた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。


物的証拠を残す
まず、どんな職場でもそうでしょうが、自分でパワハラを解決しようとしても困難ですし、相手に直接言えるはずもありません。
どうすれば良いか、信用できる誰かに相談する必要があります。
この場合、いつ・誰から・どんな風にパワハラを受けたのか、メモを書いて物的証拠を残しておくことは有益です。

またパワハラを受けた時、周りに他の職員が居た場合にはそれも記録しておくとよいでしょう。
一番は、ICレコーダーやスマートフォンなどで音声が記録できるとよいですが、急に怒り出す場合が多いので難しいかもしれません。
ただ、話し合いに臨むなど予測できる時には最初から録音しておくとよいでしょう。

他の被害者を探す
介護現場でのパワハラは、フロアやユニットが違うと周りの人に分かりにくいという特徴があります。
また、直属の上司からパワハラを受けていて、その上司より上の立場の人に相談しようとしても、なかなか会えないこともあります。
そうなると、日ごろからコミュニケーションをとっている上司の方を信用しやすくなるかもしれません。
この場合、パワハラの被害を受けている他の職員を探すと、信用しやすくなります。

相談する
前述しましたが、信用できる誰かに相談することが大切です。
そしてできるなら、最初から外部の人へ相談しない方が良いでしょう。
もしも責任者までが上司の肩をもった場合「施設の情報を部外者へ漏らした」と処罰を受ける可能性があるからです。

一番気を付けたいのは、相談する相手です。
介護現場は男性も増えたとはいっても、まだ女性職員の方が多いものです。
女性は、男性よりも感情豊かであり、相談を受けて「何それっ!ひどいっ!」と同情してくれるのはありがたいのですが、行き過ぎて他の職員にも「内緒だけどね…」と話してしまうこともあります。

もしかしたら、気が付かないところでパワハラの加害者とつながっている可能性があるのです。また、施設長や管理者に相談しても「それぐらい当たり前だ」とか「辛いだろうけど、職員も足りないことだしなんとかうまくやってくれ」という言葉で終わってしまうこともあります。

話し合いの機会をもつ
信用できる職員へ相談できたなら、まず加害者への処罰を求めるのではなく、相談者など誰かに間へ入ってもらいながら話し合う機会がもてるとベストです。
もしかしたら、相手が自分に対して思っていることが的を得ているかもしれません。
その場合、まずは自分が直す努力をすることで、関係が改善されることもあります。
また、たいていトラブルが起きる時は双方に言い分があります。
それを聞いてもらえる場をつくることで、もしかしたら気持ちが収まるかもしれませんし、相手とコミュニケーションを図るきっかけとなることも。

福祉系専門の派遣会社 キャリアカルテでは自社の派遣社員がパワハラ(と思わしきもの)を受けた場合、双方の間に入り、派遣社員の働きやすさを第一に仲裁に入ります。
同じ職場で働くことが困難であれば、フロアの変更や就業先の変更など派遣社員の希望を聞いた上で、柔軟に対応します。

おわりに

パワハラは決して問題を解決する方法ではなく、法的にも罰せられる禁止されるべきハラスメントです。

「しない」「させない」が原則ではありますが、みてきたとおりストレスがたまりやすい介護現場では、全くゼロにすることは難しいかもしれません。
正しい対処法をとっても解決しないのであれば、最終手段は「転職」しかないかも。
だとしたら施設と求職者の橋渡しをしてくれる福祉業界専門の人材会社 キャリアカルテを利用してみるのはいかがでしょうか。
職場見学や体験入職など入職前に職場の雰囲気を確かめることができるので、転職のリスクを軽減することができますよ。