訪問介護のリーダー!サービス提供責任者とは
はじめに
みなさんは「サービス提供責任者」という職業をご存知でしょうか?
介護のお仕事をしていない方はあまり聞いたことがないかもしれませんね。
サービス提供責任者はいわば訪問介護における「司令塔」であり、キャプテンのような存在です。訪問介護でのキャリアアップをお考えの方がはじめに目指す職種でもあります。
今回は「サービス提供責任者」という職種についてどんな仕事をしているのか、どうしたらなれるのか、具体的にご紹介したいと思います。
1. サービス提供責任者とは?
サービス提供責任者とは、訪問介護事業所に必ず配置が必要とされている職業・ポジションの名前で、介護業界では略して「サ責」と呼ばれています。
実務者研修のような終了証明書を発行されるような研修でも、介護福祉士のような試験に合格して取得できる資格でもなく、介護業務上の役割を指す呼び名です。
訪問介護事業所に在籍し、チームリーダー的な役割を担っているので、利用者さんだけでなく、ケアマネジャーや訪問介護員、介護サービス事業者など、様々な人と関わり、仕事内容も多岐に渡ります。
基本的な仕事の流れとしては、ケアマネジャーから、紹介のあった利用者さんが、どんな介護サービスを必要としているか、スケジュールなどの相談を受けます。
受入れが可能である場合は、利用者さんのお宅を訪問し、生活環境や健康状態を確認します。
利用者さんやその家族が何を求め、それに応じた介護サービスをどういった形で提供できるかを選定します。
それを元に訪問介護計画書を作成し、訪問介護員(ヘルパー)のリーダーとして訪問介護員の手配や勤務管理・調整を行います。
単純に時間が合うヘルパーさんを手配するのではなく、お互いの相性も判断します。
訪問介護サービスが開始されてからは、適切なサービスが提供されているかモニタリングを行います。
調整が必要であれば訪問介護計画書の見直しを行います。
この一連の流れの中で、訪問介護員と利用者さんとの間で悩みを抱える場合は、お互いの相談に乗り、問題が解決できるよう精神面でのサポートも行います。
介護技術面でのアドバイスをしたり、ヘルパーさんが足りない場合は、自ら現場に出ることもあります。
サービス提供責任者は事業所の「司令塔」でもあり、「プレイヤー」でもあるオールマイティーな存在なのです。
2. サービス提供責任者になるには?
サービス提供責任者になるにはどうすればいいのでしょうか。
最低条件として訪問介護員として働くために必要な介護職員初任者研修以上の資格の取得と一定の実務経験が必要です。
ただ事業所が国からより補助を受けるには、サービス提供責任者がより高度な資格を保有する必要があるため、サービス提供責任者として転職をお考えの場合は最低でも実務者研修の取得が必要になります。
サービス提供責任者という資格や試験はありませんが、サービス提供責任者になれる条件は下記の通りに定められています。
・介護福祉士、看護師、准看護師、保健師のいずれかの資格保持者
・実務者研修の修了者
・ホームヘルパー1級の資格保持者 (現在は廃止された資格なので、廃止前に取得している人)
・介護職員初任者研修を修了後、実務経験が3年以上の者
・介護職員基礎研修の修了者 (現在は廃止された資格なので、廃止前に修了している人)
廃止された資格や研修も含まれているので、これからサービス提供責任者になることを目指す場合は実務者研修を修了するか、介護福祉士の資格を取得するのがベストです。
介護職のキャリアプランとしては、介護福祉士になるためにも実務者研修が必要となるので、まずは実務者研修を受講してスキルアップしていきましょう!
3. 条件だけでなくリーダーになる特質も必要
試験がないため条件を満たせば、サービス提供責任者としてのポジションに就く事は可能かもしれません。
しかし、様々な人と関わりリーダーとして、時にはヘルパーやケアマネ、利用者家族などそれぞれの人達のパイプ役となる必要があるので、資格や介護知識、技術以上に、スタッフをとりまとめる力や、小さな事に気づき思いやりを示せる事、客観的に物事を判断する力、またコミュニケーションスキルが特に重要となってくる事でしょう。
サービス提供責任者を目指して、実務者研修を受講するなど条件を満たす事ばかりにとらわれるのではなく、スタッフと協力して働く事や、コミュニケーションスキルを伸ばしていく事も意識しておきましょう。
おわりに
サービス提供責任者は訪問介護事業所に在籍し、チームリーダー的な役割を担っています。
訪問看護事業所において利用者さんに適切な介護サービスを提供する上で、また訪問介護員が働きやすい環境を整える点で欠かせない存在となっています。
サービス提供責任者を目指すのであれば、実務者研修を修了する事や介護福祉士の資格を取得する事などの条件がありますが、それだけではなく、周囲の人たちと円満にコミュニケーションを図れるスキルも同時に磨いていくようにしましょう。
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