今人気の「介護付きマンション(サ高住)」とは?
はじめに
超高齢化社会となっていく日本において、国の方針はできるだけ要介護者が自宅で暮らせるように努める=「在宅介護」がとなっています。
しかし高齢者の中には、まだ介護が必要ではなく健康ではあるものの、高齢ゆえの健康上の不安を抱えながら生活している方も多くいます。
また、自分は自立した生活が送れていると感じているものの、家族や親せきが高齢になった祖父母や両親の生活を心配しているというケースも増えています。
その中で、国の方針である在宅介護を実現させ、同時に高齢者に安心感を与えるという点で今人気を集めている住宅があります。それが「介護付きマンション(通称サ高住)」です。
サ高住とはどういったものなのか、入居者からの視点と働く介護職員からの視点を合わせてご紹介したいと思います。
1. 介護付きマンションとは?
介護付きマンション(以下サ高住)とは、その名の通り入居者が介護サービスを受けられるマンションです。
一般的には、サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」と呼ばれており、高齢者が住みやすいように設計されたマンションやアパートのことを指します。
ここでいう介護とは、要介護認定を受けた方や寝たきりになった方が受ける様な本格的な介護ではなく、高齢になっても住みやすいバリアフリー設計の住宅を指します。
基本的に24時間介護職員が常駐しているため、いつでも生活相談ができます。
万が一の場合も素早く対応してもらえるように介護職員の定期的な巡回や見守りサービスなどがついています。
そのため、常時介護を必要とする方よりも比較的介護度の低い方が利用している傾向にあります。
前述の通り、介護職員は他の施設と同様に基本的に早番~夜勤までの24時間のシフトで勤務を行います。
ただ他の施設とは違い、あくまで「住宅」なので、介護職員は「訪問介護員」として入居者の方のお部屋に「訪問」をして介護サービスを行います。
よって、介護付きマンションで介護職員として勤務をする場合は、訪問介護と同じく介護職員初任者研修以上の資格取得が必須となります。
2. サ高住のメリットとデメリット
サ高住は、高齢者が快適に日常生活を送ることを目的として作られている住宅ですが、メリットだけでなく少なからずデメリットもあります。
入居者と介護職員の両方の視点から確認してみましょう。
■メリット
(入居者)
・ 有料老人ホームより安価
・ 高齢者対象なので、契約しやすく使いやすい環境が整っている
・ 自立した生活が送れ、一般的なマンションと同様に個々のプライバシーが保たれる
・ 万が一の時に、素早く医療機関に通じ、介護を受けられる
・ 介護サービス付きという点から入居者だけでなく家族も安心できる
介護職員
・ 介護度の低い入居者が多いため、特養や老健よりも体力的に楽
・ 入居者の生活に寄り添った1対1の個別ケアができる
・ 最初から身体介護が不安な場合は生活援助など軽いケアからスタートできる場合もあるので、経験の浅い方も始めやすい
■デメリット
(入居者)
・ 通常のマンションの利用料よりも値段が高い(サービス内容は事業所によってバラツキがある)
・ マンション内の介護サービスの基本は見守りと相談のみ。
介護保険を利用したサービスはマンション内でなく、他の介護サービスを契約・利用しなければいけない
・ 介護度が高いと契約出来ない所が多い
・ 認知症や徘徊などが発症した場合は、契約上、退去しなければいけない事もある
(介護職員)
・ 介護度が低い入居者が多いため、身体介護の経験が積みにくい
・ 個室での1対1のケアが基本となるため、何かあった時にすぐにヘルプを呼べない
・ 介護職員初任者研修以上の資格がなければ、介護業務を行うことができない
入居するにしても転職するにしてもメリット・デメリットをよく把握することが重要と言えるでしょう。
3. いいサ高住の見つけ方とは?
サ高住は他業種からの参入も多く、選択肢が広がった反面、何を基準に選べばいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
入居をお考えの場合、「費用が安いから」「建物がきれいだから」と表面的な特徴に惹かれて安易に決めてしまうのは危険です。
「何に」「どれくらいの」費用がかかるのか、料金の詳細を確認するのはもちろんのこと、実際に見学に行ってそこにお住まいの入居者さんと働く介護職員の方の様子を見に行ってみることをおすすめします。
特に今後介護サービスを受けることを想定しているのであれば、介護職員の人がどんな人がいるのかを予め確認することが重要です。
インターネットを使っての情報収集も有効です。
サ高住物件専用の検索サイトもありますので、そういったサイトを利用すると効率的に希望の物件を絞り込むことができます。
また「サ高住 評判」や「サ高住 口コミ」と検索すれば現在入居している家族の方の口コミや過去に利用したことのある方の口コミを検索することができます。(あくまで個人の意見ですので、すべてを鵜呑みにするのではなく参考程度に)
サ高住で働く場合もインターネットでの情報収集が有効です。
最近では働く側の口コミも検索できますし、ウェブ上での応募が主流になってきています。
より働くイメージを描くには実際にサ高住に足を運んで現場で働く介護職員の様子を見学するのが一番です。
入居にしても転職にしても、最終的には実際にマンションに足を運び自分の目で判断をすることが一番ですが、情報収集という意味ではインターネットは有効な手段と言えるでしょう。
おわりに
高齢になっても自立したプライバシーが保たれる環境で生活したい、それでも万が一に備えて安心で快適な生活を送りたいという2つの願いを叶えてくれる事から、サービス付き高齢者住宅が人気を集めています。
バリアフリー設計になっていることや、介護職員が常駐していることは入居者だけでなく、高齢者を抱える家族にとっても安心な環境です。
介護職員にとっても他の施設と違って入居者の方とより近い距離でケアができるメリットがあります。
入居にしても転職にしても、長い間利用する場になるので事前の情報収集と現地見学をよくした上で決断するようにしましょう。
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