特定施設って何?介護職として働くメリット・デメリットとは
はじめに
各都道府県から「特定施設入居者生活介護」の事業者指定を受けた施設は、「特定施設」と呼ばれます。
「特定施設」とはどのような施設なのでしょうか。
その特定施設で介護職として働くメリットとデメリットを知るには、特定施設の特徴をしっかり把握する必要があります。
そこで、今回は特定施設の特徴と、特定施設の介護職員として働くメリットとデメリットを確認していきましょう。
特定施設とは
「特定施設」という名前にあまり聞き覚えのない方もいるのではないでしょうか。
特定施設とは具体的にはどんな施設なのでしょうか。
どんな方がお住まいになっているのでしょうか。
「特定施設」=「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設
特定施設とは厚生労働省が定めた厳しい基準をクリアし、各都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設を指します。
具体的には、定員が30人以上の有料老人ホームや養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などが特定施設に含まれるのです。
「特定施設入居者生活介護」とは、ケアプランに沿って提供される食事介助や入浴介助、機能訓練指導などを、施設内で受ける介護を意味します。
特定施設は介護度によって変わる
入居できる特定施設は、入居者様の介護度によって変わります。
例えば、要支援と判定された入居者様は、「介護予防特定施設入居者生活介護」に入居可能です。
また、要介護と判定された人は、「特定施設入居者生活介護」という施設に入居できます。
さらに、「一般型特定施設入居者生活介護」は、要介護の方も要支援の方も入居可能な特定施設です。
特定施設には基準がある
特定施設と認められるには、厚生労働省が定めた厳しい基準をクリアしなくてはいけません。
そこで、以下では特定施設になるために、クリアしなくてはいけない基準を詳しく紹介していきます。
細かく定められた職員比率
特定施設と認められるには、まず30人という必要利用定員総数やを遵守する必要があります。
また職員比率にも基準が設けられています。
、介護職員と看護職員を合わせた数を1とすると、要支援者の総数は10、要介護者の総数は3という比率基準です。
その他にも、特定施設には要支援者と要介護者を合わせた数100に対して、1の生活相談員が必要と定められています。
また、特定訓練指導員や計画作成担当者も、施設に1人は配置しなくてはいけないというルールがあるのです。
設備・運営基準も定められている
特定施設では設備や運営基準も厳しく定められています。
体が不自由な入居者様でも問題なく入浴できる広さの浴室や、個室又は4人以下の部屋の介護居室などの設備が無くては、特定施設として認められません。
また、身体拘束の禁止や入浴介助の頻度などの、運営基準も存在しています。
特定施設(介護付き有料老人ホーム)で働くメリット・デメリット
特定施設の介護付き有料老人ホームで介護職員として働く上ではどんな特徴があるのでしょうか。
またどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
メリット
特定施設の介護付き有料老人ホームで介護職員として働くメリットの1つには、職員配置が手厚いということが挙げられます。
老健や特養などの公的な介護施設よりも特定施設の職員配置は手厚いので、ある程度余裕をもって入居者様に対応できるでしょう。
また、特定施設では比較的お元気な方から寝たきりの方まで入居者様の介護度に幅があるので、さまざまな状態の入居者様の対応方法を学べることも、メリットの1つです。
デメリット
特定施設の介護付き有料老人ホームの中には利用者様の介護度が偏っており、希望する介護経験が積めないというデメリットもあります。
また、特定施設は民間企業が運営していることが多いのです。
利益を重視する民間企業が運営している施設では、利益追求を主目的にした介護業務を求められることもあります。
営業や利益を目的に介護をしたくない、という方にとってはデメリットに感じるでしょう。
おわりに
あらゆる面で厳しい基準が定められている特定施設は、要介護と判定された入居者様も安心して過ごすことができる施設です。
そんな特定施設で働いてみたいと思う介護職の方は、ぜひ特定施設の内容や特定施設で働くメリットとデメリットをしっかり確認しましょう。
それらを確認した上で、特定施設への転職を希望する方は、ぜひ介護業界の求人を数多く取り扱うキャリアカルテを利用してみてください。
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