高齢者が外出するとどんな効果がある?安全に楽しんでもらうポイントとは

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高齢者が外出するとどんな効果がある?安全に楽しんでもらうポイントとは

はじめに

歳を重ねるごとに筋力や体力が減っていき、だんだんと外出すること自体が億劫になってしまう方は多いでしょう。
しかし、歳を重ねれば重ねるほど、普段から筋力を維持する適度な運動の重要性は高くなっていくのです。
さらに、外出することで精神にもよい影響があるとされています。
そこで、今回は介護施設の利用者様の外出や、自宅でご家族様から介護を受けている方やの外出について、詳しく見ていきましょう。


外出で期待される効果とは

私たちが普段何気なく行っている散歩や買い物といったちょっとした短時間の外出でも、利用者様にとって良い影響があるとされています。
外出にはどのような効果が期待できるのでしょうか?
また外出はなぜ高齢者にとって重要なのでしょうか。

脳機能の維持・活性

ずっと家の中で過ごし、ご家族様としか会話をしなくなったり、会話の回数が減ったりすると、コミュニケーションの幅が狭くなります。

さらに、ずっと家の中から見える景色しか見ないことで、視覚から受ける刺激も少なくなってしまうのです。
その結果、脳への刺激が少なくなり、脳機能の低下を引き起こす可能性があります。
しかし、外出して季節の変化を感じる景色を見たり他人と会話をしたりすると、視覚や聴覚から脳によい刺激が送られ、脳が活性化するのです。
その活性化が、脳機能の維持・向上につながります。

歩行機能の維持・向上

家に閉じこもりがちになると、運動することが少なくなります。
体を動かさないことで、体全体の筋力が落ちてしまうと、より外出が億劫に感じるようになってしまうのです。
そのような悪循環に陥らないためには、まずハードルが低い外出を習慣化させることが重要になります。

足腰の筋肉は体全体の筋肉の中で特に多くを占める筋肉なので、外出は効率的な筋力トレーニングになるのです。
また、外出をすることで足腰の筋力が増え、歩行機能が向上すると気分が前向きになります。
その結果、より外出したくなるという好循環になりやすいのです。

外出レクで利用者様を元気にしよう

介護施設の利用者様にとっても、脳機能や身体機能の維持、向上のために外出は重要なものです。
そこで、多くの介護施設では外出をメインにしたレクリエーションが行われています。
そのレクリエーションとは、一体どのようなものなのでしょうか?

入所していても「外出」はできる

介護施設に入所すると、自由に外出できる機会は少なくなってしまうのではと思う方もいるでしょう。
しかし、ほとんどの介護施設では利用者様が外出できるように、外出レクを催しています。
その外出レクでは、介護職員が利用者様に付き添いながら、散歩や買い物などをすることが多いのです。
外出レクには地域の方々との交流が生まれ、相互理解が進むというメリットもあります。

おすすめの外出レク

外出レクは買い物や散歩といったこと以外にも、お花見や初詣といった季節に合わせたイベントに合わせて行われます。
季節やいつもとは違う雰囲気を感じられる場所に行く外出レクを行うと、より利用者様の脳の活性化につながります。
そのため、非日常の雰囲気が味わえる場所や、回転寿司やファミリーレストランなど食欲がそそられて元気になる場所などを目的にする外出レクが特におすすめです。

外出の際の注意点

利用者様と外出する際には、利用者様の安全と安心のために気持ちや健康状態に注意を向ける必要があります。
では具体的にどのような点に配慮すればいいのでしょうか。

気温差などによる体調の変化に気を付ける

室内外の温度に差がある場合は、外出先で利用者様が体調を崩す可能性が高くなります。
そのため、室内外の寒暖差が激しい場合は、利用者様の洋服の厚みを調整して、寒暖差をなるべく感じさせないようにしましょう。
夏は外出先で利用者様が熱中症になる危険性が高まるので、必ず定期的に水分や塩分補給をする必要があります。

無理に連れ出さない

利用者様が外出する気分でない場合は、利用者様の意思を尊重して、外出を無理強いしないようにしましょう。

閉じこもりがちな利用者様には、外出に対して前向きになるような言葉を軽くかけてもよいでしょう。
しかし、外出を無理強いするような言葉をかけてしまうと、利用者様はより外出に対して後ろ向きになってしまいます。
そのため、利用者様が外出を渋る時は、決して無理強いしないようにすることが大切なのです。

転倒リスクに配慮する

安全な施設内とは異なり、外出先では思わぬ所に段差や階段があることもあります。
そのため、施設内にいる時よりも、利用者様のつまづきや転倒に注意する必要があるのです。
例えば、歩行に不安を抱いている利用者様には常に近くに付き添い、歩きづらい場所では声掛けをしながら腕を取って支えるようにしましょう。

おわりに

歳を取るに従って誰でも体力や筋力は低下するので、高齢になってから閉じこもりがちになってしまう方は多いのです。
介護施設の利用者様は、特に外出の機会が減ってしまうでしょう。
外出には生活習慣病予防や認知症予防といった、利用者様にとって大きなメリットがたくさんあります。
そのため、介護職員は利用者様を積極的に外出に誘って、外出中はしっかりサポートするようにしましょう。