デイサービスでの頭の体操 ~その効果とおすすめ体操をご紹介~

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デイサービスでの頭の体操 ~その効果とおすすめ体操をご紹介~

はじめに

私たちの体は、20歳を過ぎた頃から年齢を重ねるごとに様々な機能が衰えていきます。

脳の働きも同様で、覚えていたことを思い出しにくくなるとか、人の名前などを覚えにくくなるのはそのためです。
脳の働きが衰えてくると、体を動かすことが少なくなり身体機能の衰えも速くなってしまいます。

しかし適切な方法で脳の機能低下を予防すれば、衰えるのに待ったをかけることができます。
今回はデイサービスで実践できる、脳の機能低下を防止する頭の体操についてご紹介します。

デイサービスでの頭の体操の効果・目的

デイサービスは、体が動かせる利用者様が比較的多く利用されているため、体操を行うにはふさわしいといえます。

頭の体操も同様ですが、体操は目的をもって行うと、より効果が得られるものです。
デイサービスではどのような目的で頭の体操を行っているのでしょうか。
また頭の体操の効果はどのようなものがあるのでしょうか。

記憶力低下・認知症防止
人間の脳は、数秒から数分の短い記憶「短期記憶」の繰り返しと、長期的な記憶両方を覚えているようにつくられています。

頭の体操は、日常生活では使わない脳の機能を使うことにより短期記憶を活発化させるように呼び起こしてくれるのです。

さらに頭の体操を習慣化することで長期的な記憶もできるようになり、それが脳全体の活性化につながるため、認知症の予防にも役立つといわれています。

コミュニケーションを取る
デイサービスを利用する利用者様の多くは、一人暮らしや、介助がなければ外出できないなど、自宅から外の世界の人たちとのコミュニケーションが減る傾向にあります。

全員参加型の頭の体操を行うと、利用者様同士や介護職員と話し合ったり協力したりするため、必然的にコミュニケーションがとれます。
しかもこの場合、皆で同じ目的に向かって協力し合うことができるため、話すのが苦手な人でも話題を探す必要がなく、自然に会話することができます。

コミュニケーションをとることで脳が活性化され、うつ病の予防にもなるのです。

達成感・やる気を得る
デイサービスで行う頭の体操にはゲーム感覚の体操が多いため、目的をクリアした時には「自分でもできた」という達成感を得ることができます。

さらに皆で協力してゲームをする場合、一体感もうまれます。
そうすると「次も頑張ろう!」とやる気がうまれ、デイサービスに来るために日頃から体調を整えるようになります。

つまり、要介護状態が悪化していくことを防ぐ「介護予防」を自分でも行えるようになるのです。このように、デイサービスを利用することで生活の良いサイクルがうまれてくると、生きている歓びを感じられるようになります。

デイサービスでの頭の体操の注意点

どんなに良い内容の体操でも、行うことによって逆効果となってはいけません。

デイサービスの利用者様に、最も良いかたちで頭の体操を行ってもらうためには、どんなことに注意しなければならないでしょうか。

体調が悪い時/本人が嫌がる時は無理をしない
ゲームも体操も、繰り返し行うことが重要です。
そのためには、無理強いすることなく楽しく行えなければなりません。

利用者様の体調が悪い時は、いくら本人にやる気があっても休息してもらうようにします。その判断が難しい場合は、ナースの指示を仰ぎましょう。

また本人が頭の体操をいやがる場合には、無理強いはしません。
前回は楽しくやっていたとしても、「この間は楽しそうだったじゃないですか」と強制するのではなく「今日は見学していましょうか」など様子を見ましょう。

あるいは、別メニューで対応できるようであればそちらへ誘導することも一つの手段です。

例え、体操することが本人のためだったとしても、利用者様の意志を尊重するようにしましょう。

職員も利用者様も楽しめるようなものを取り入れる
「楽しい」というのは、主観的な感情です。
周りから見ていて「楽しそうだ」と感じたとしても、本人が本当に楽しいと思っているかどうかは分かりません。

そのため、利用者様が心から楽しめるような体操を取り入れましょう。
「やらされている」と一度でも感じてしまうと、二度としてくれない利用者様もいます。

また、指導をしたり一緒に行ったりする職員が楽しめる、というのも重要なポイントです。
そうすれば、施設全体で楽しい雰囲気となり、より楽しく体操やゲームをすることができるようになります。

おすすめのデイサービスでの頭の体操

具体的に、デイサービスでどんな頭の体操が行えるか、動画を3つご紹介します。
決して難しくないため、すぐにでも取り入れることができるのではないでしょうか。

座ったままできる頭の体操


この体操は、ある程度視力がある方なら座ったままでもできる体操です。

最初は簡単に思えますが、答える内容が変化していくため、それに応じられるかの柔軟性が問われます。
しかも目から入る情報を一度頭の中で処理して答えを導き出すため、思考力を働かせることになります。

加えて、大きな声で答えを言うことにより発声練習になり、喉の筋トレにもなって嚥下体操にもなります。

また他の利用者様と競うゲーム内容にも、競わないゲーム内容にもすることができるため、参加する利用者様の傾向に合わせてゲーム内容を変えることができます。

思わず笑ってしまう楽しい頭の体操


動画を見ていただけばおわかりのとおり、とにかく楽しく頭の体操を行うことができます。
むしろ利用者様はそのうち「頭の体操だ」と思わなくなるかもしれません。

「楽しい」ということは、継続していくことの力となります。
そして「次はどんなこと(体操)を教えてくれるんだろう?」と期待を抱くことにより、デイサービスに来ることが楽しくなるのです。

「子供だましのようなデイサービスにはいかない」と思う利用者様
にこそ、この頭の体操を実際にやってみてもらいましょう。


手指のリハビリにもなる頭の体操



デイサービスで行われている代表的な体操かもしれません。
この指の体操は、ちょっとした時間にいつでもどこでも行うことが可能です。
高齢者は、頭だけではなく手指の力も衰えていきます。
指は、大好きな食事を自分で食べ続けるために必要な部位です。

腕を前に突き出してこの体操を行えば、手指だけでなく前腕と上腕のリハビリにもなります。

また集団で時間をとらなくても、一人でも、食事の前など空いた時間にもできますし、自宅に帰っても手軽に行うことが可能です。


おわりに

頭の体操を行うことにより脳を活性化させ、記憶力の低下予防や認知症の予防ができるだけではなく、生きている歓びを感じることにもつながります。

さらに楽しく行うことにより、デイサービスに来ることを楽しみにしてくれるようになり、事業所全体の活性化にもつながります。

楽しく行える頭の体操は、本やインターネットで調べるとたくさん見つけることができます。
ぜひ、日々のレクリエーションに取り入れてみてはいかがでしょうか。