デイサービスでおすすめの口腔体操!効果と注意点について

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デイサービスでおすすめの口腔体操!効果と注意点について

はじめに

近年、介護施設などで食事前によく行われる口腔体操。食事前に行うことで誤嚥防止に繋がるということはよく知られていますが、実はそれ以外にも口腔体操には様々な効果があります。
今回は、口腔機能について、また口腔体操の効果と重要性について解説します。

口腔体操の重要性

口腔には、咀嚼や摂食、嚥下の他にも私たちが普段気づかない多くの重要な役割があります。
例えば、感情表現やかみ合わせによる平衡感覚の維持、言葉を発する、消化や免疫物質の分泌、呼吸などです。

これらの口腔機能が一つでも低下しまうことは、生きることに何らかの支障を与えかねないのです。
そのため、口腔機能の維持向上のための口腔体操はとても重要なのです。

口腔体操の効果
肺炎で亡くなる高齢者に多い誤嚥性肺炎。
誤嚥とは、食べ物や液体が食道ではなく、気管内に侵入してしまうことです。肺の中に異物が入ると、元気な人なら咳込んで外に出すことができます。
しかし、高齢者や体力や免疫力が落ちている人は、咳き込む力が衰えていて吐き出すことができないので、肺に侵入した食べ物に細菌が繁殖して炎症を起こし、肺炎になってしまいます。

口腔体操では、喉の筋肉を鍛えることで、飲み込む力と咳き込む力を維持することを目指し誤嚥の防止が期待できます。
また、その他にも口腔体操を行い、唾液の分泌を促進することで口の中を清潔に保ったり口腔内の乾燥を押さえたりすることができます。
舌を中心とした口腔体操では、味覚の改善や食べ物を口の奥まで運びやすくするなどの効果も期待できます。

いつ行うのが効果的?
デイサービスで、利用者様に向けて口腔体操を実施する一番良いタイミングは、「食事前」です。
食事前に口腔体操を行うことで、口や頬の筋肉を動かし唾液の分泌をしやすくなります。
また、唾液が多く出ることで、食べ物が飲み込みやすくなる効果があるので食事の食べ始めからスムーズに飲み込むことができるようになります。

食事前であれば、デイサービスの利用者様は皆食堂に集まるので体操もしやすいでしょう。
口腔体操は車いすの方でも座ってできる体操でもあるので、皆が集まるタイミングで取り組むことができます。

口腔体操の注意点

デイサービスで口腔体操を行う上で、その人がどのような状態や病歴があるか、現在どのような病気の治療をしているかなどを把握しておきましょう。
高齢の利用者様はその日によって体調が異なり、病気による兆候が現れている場合があります。口腔体操を行う前に、チェックして、少しの変化を見落とさないように注意が必要です。

利用者様の状況をよく確認する
高齢である利用者様の口腔体操を行う際は、無理な体勢や動きで怪我等がないように十分注意して行いましょう。
高齢者の筋肉は硬く怪我をしやすくなっています。
いきなり大きな動きをしたり無理に強く動かしたりすると怪我をしてしまうことがあります。
対象となる高齢者の状態をよく確認することが大切です。

また、デイサービスで提供するサービスとしては送迎や入浴、食事、レクリエーションの他にその日の体調の確認があります。
多くのデイサービスでは到着後にバイタルサインを中心としたその日の体調確認がされます。
そして、入浴や軽い体操などのメニューを経て昼食となります。
口腔体操が行われることが多い昼食時の時点では、到着から数時間経過して過ごしているので、改めて体調の確認をするという意識が職員側としては薄れているかもしれません。

しかし、いつ体調が変わり急変するかがわからないのが高齢者の特徴でもあります。
口腔体操を行う準備としてきちんと座位を保った時、集中力を高めたい時に姿勢はどうか、表情や様子を改めて確認するようにしましょう。

強制ではなく、楽しく行う
口腔体操は、決まったメニューをこなすということを目的とするのではなく、口や顔の筋肉をよく動かすという意味ではリラックスし、楽しい気持ちで取り組むということが大切です。

利用者様が「強制的に体操をさせられていると」いう気持ちになると緊張してしまい逆効果です。声を出して会話し、笑うことで表情筋や口周りの口輪筋がよく動き口腔体操の効果も増すと考えられます。
また、自発的に楽しんで行ってもらうことは継続性や自宅での自主的な取り組みにも繋がることが期待できます。

口腔体操を行う介護職員は、声かけの工夫や体操のバリエーションを変えるなどしてみると良いでしょう。

おすすめの口腔体操

口腔体操にはたくさんの種類があります。

最もよく知られているといってもよい「パタカラ体操」も、単に発生練習という意味合いだけではなく一つ一つの単語に意味があります。
「パ」は唇を閉める筋力を鍛え食べ物のこぼれ防止、「タ」は舌の筋力アップで食べ物をつぶす力を鍛えます。
「カ」はしっかりと食べ物を食道に送る訓練、「ラ」は舌を丸める動きから食べ物を口の奥に運びやすくするための運動になります。
たくさんある口腔体操の中から目的を理解し、利用者様にあった体操を行う工夫をしてみましょう。

おすすめの口腔体操①

■口腔を若く保つ秘訣 お口の健康
この動画のおすすめポイント:適度な運動量とわかりやすい解説
こんな方におすすめ:固いものが噛みにくい方,食事の時にむせやすい方,お口が渇く方
期待できる効果:咀嚼力の向上,嚥下力の向上,口腔乾燥予防

おすすめの口腔体操②

■表情も若返るあいうえお体操
この動画のおすすめポイント:簡単で明解、継続しやすい
こんな方におすすめ:人との会話を楽しみたい
期待できる効果:表情が若返る、舌の筋力アップで舌の位置を正すことができる

おすすめの口腔体操③

■高齢者さんがDVDで健康体操 口腔体操編 ごぼう先生
この動画のおすすめポイント:思わず笑いたくなるような楽しさ
こんな方におすすめ:誤嚥を予防したい
期待できる効果:誤嚥予防、舌、表情筋の強化、唾液分泌、肩、胸、腹の筋力強化

おわりに

加齢のためだけではなく、口腔も使わなくなると衰えてしまう器官として考えてみると、手や足の運動のように毎日意識して運動することが大切ですね。
食事は生活の中で欠かせないことであり、楽しみにもなるものです。口腔体操をすることで、利用者様が最後まで美味しく食事ができるように、口腔環境を整え口腔機能の維持、向上の支援をしてあげられるといいですね。


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