2017年話題になった介護関連ニュースまとめ

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2017年話題になった介護関連ニュースまとめ

はじめに

2017年が終わり、新しい年を迎えたばかりかと思いきや、もうすでに2月が終わり一年の6分の1が過ぎようとしています。
皆さんにとって2017年はどんな年だったか覚えていますでしょうか?
今回は2017年に話題になった介護関連のニュースをご紹介していきたいと思います。

1. 90歳以上、初の200万人超え。高齢者の割合も過去最高に! 

10月18日の敬老の日に総務省が発表した人口推計によると、2017年9月15日時点で、90歳以上の人口が2016年より14万人増えて206万人になり、初めて200万人を突破しました。
90歳以上が人口に占める割合は1.6%で、80歳以上の人口も1074万人と総人口の8.5%を占めています。
また総人口に占める65歳以上の割合にいたっては27.7%にのぼり、過去最高を更新しました。

老齢人口増加の背景には医療技術の進歩があり、医療・介護に使う社会保障費の増加が懸念されています。
しかし、すべての高齢者が介護を必要としている訳ではないようで、労働力調査によると、2016年の65歳以上の就業者数は過去最高の770万人にのぼり、65~69歳の男性の53.0%、女性の33.3%は現在も働いており、介護を必要としない働く高齢者は年々増えています。
高齢者の割合は今後も増え続ける事が予想されますが、その一方で寿命が延びた分老後資金を蓄えたいという意欲から働く高齢者の増加も期待されています。

2. 大手有料老人ホームで職員が入居者を殺害。理由は「布団を何度も汚されたから」

2017年11月14日、介護付き有料老人ホーム「ニチイホーム鷺ノ宮」で、入居者の男性を浴槽に沈めて溺死させたとして元職員の男性が殺人容疑で逮捕されました。

亡くなった入居者の男性は難病を患って日常的に介護が必要な状態にあり、施設に入所していました。
容疑者の夜勤中に入居者の男性が何度も布団などを汚したことに立腹し、部屋で男性の首を絞めた上で浴室に連れていき、浴室も汚したことに更に腹を立てて浴槽に投げ入れて湯を溜め、殺害したとみられています。

安心・安全をうたう施設でこういった痛ましい事件が起きてしまったことは悲しいことですし、職員を信頼して男性を預けた入居者家族もやりきれないことでしょう。
業務量に対する夜勤の人員体制が見合っていなかったことが背景にあるとも言われており、2014年に川崎の有料老人ホームでも同様の事件が起きていることから、今回の事件は特殊なケースでなく、介護業界全体の問題が垣間見えた事件とも言えます。

3. 2019年10月、勤続10年の介護福祉士に8万円相当の処遇改善確定!

介護職員の給与改善と超高齢社会で増え続ける介護士のニーズに対応するため、政府は勤続10年以上の介護福祉士に対して平均が月額8万円相当の賃上げを行うことを2017年12月8日に閣議決定しました。

賃上げの背景には受験資格変更による介護福祉士受験者の減少や、いわゆる「きつい」「汚い」「危険」の3Kのイメージによる採用率の低下などがあります。
現政権が掲げる「1億総活躍社会」のテーマの一部である「介護離職ゼロ」を目指すためにも被介護者を預ける介護施設の充実を図るためにも介護職の離職率低下の施策の一つとして今回の賃上げに踏み切ったようです。
ただ一つ懸念点なのが、支給対象が「勤続10年以上の介護福祉士」に限定されている点です。
厚生省の調査によると、介護福祉士の平均勤続年数は6年で、勤続10年以上の介護福祉士は少ないのが現状です。
また月8万円の賃上げは一度国から事業所に入り、事業所の判断で各介護福祉士にどの程度の賃上げを行うかが決定されるので、事業所の判断や本人の勤務評価によっては賃上げがわずかにとどまる可能性もあります。
今勤務している介護福祉士の引き留めにはなりそうですが、新たな介護人材の増加には直接的な効果は薄いかもしれませんね。

おわりに

みなさんの記憶に残っているニュースはありましたか?

明るいニュース、暗いニュース、様々な介護に関するニュースがありました。
これから介護業界に挑戦する方も、既に介護業界で活躍していく方も、業界の最新の動向・知識を知っておくことは重要です。
これからも常にアンテナを張って業界の最新状況を把握しておくようにしましょう。